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不揃いの木を組む
小川三夫著 文春文庫 宮崎市、朝には台風16号も通過しました。 被害はこれから明らかにあると思いますが、大きくないことを祈ります。 今日は三連休の最終日でしたが、土曜から体調を崩していたため、家でじっとしていました。そこで、午前中のお供は数か月前に買ったこの本。 宮大工の著者が語り口調で綴る組織論、教育方法。決して押し付けがましい感じではなく、宮大工ならこうあってほしい、これがいいんじゃないかという感じで書いていますが、どこの組織にも当てはまりそうなこの内容。上手くいかないときほど、組織がどうだこうだと言いたくなりがちですが、大きくても、小さくても、我々は何かしらの組織に属しています。ちょっと我を振り返るとき、しんみり沁みる本でした。 以下、印象的だったところをあげてみます。 ・目指すのは一寸角のものを見る目じゃないんだ。それを十本合わせて一尺になるための正確さ。 ・仕事は教わりやすいようにはできていない。 ・集団は不揃いがいいんだ。バラバラな人が集まっていてこそ、協力し合うあうことで力を合わせようと思うし、相手をそういうやつだって認めてやっていける。 ・基準というのは難しい。それさえクリアすればいいという風になる。基準というのは最低限の規則のはずなのにそれが目標になってしまう。 ・人を理解する力量。 ・不揃いこそ社会のかたちとして安定感があるし強い。いくら腕がよくたって同じものだけが集まると同じ考えになって、同じことになってしまう。ずっと同じでいくならばいいかもしれないが、もしそれがつまらないとなったときには、うまくいかなくなって分解する。均一というのはよさそうだが、幅がないんだ。 最後に、こんな一文もありました。 「親方に怒られながら十年間基礎を学び、次の十年は世の中を知り、他の職人を知る。そして自分に気づく。四十、五十が充実するか否かは三十代をどう感じ、どう生きたかで決まるんや」 なんだか、今の自分に言われているような気がしました。 久しぶりの読書。いい本に会えました。
by miyazakihana
| 2012-09-17 15:32
| 本
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